組織と個人の関係について考えようとするとき、かつての日本を支配していた全体主義的な考え方が未だに根深く残っているように感じることがある。組織目標を達成するためには個人的な欲求やわがままは押し殺して、個人は組織の発展のために働くべきであるといったような『滅私奉公』の姿勢が正しいとする考えで、スポーツチームや企業の中に色濃く残っている。
しかしその考え方に真っ向から反対した人がいた。2016年に53歳の若さで早世した天才ラガーマン平尾誠二氏だ。マガジンハウス社から出版された『平尾誠二/人を奮い立たせるリーダーの力』の中にチームワークに関する名言がいくつも記されている。
219号にはその内の何点かが紹介され、歯科医院に置き換えて組織強化に向けた強力なヒントが、3ページから5ページにかけて示されている。「チーム目標とは別に個人の目的を許容しなければ、個人は滅私奉公的にチームに尽くすだけで、プレーからは活力が殺されてしまう」「主体性をもった個人がつくっていくのがチームだと考える。だからチームは日一日と進歩する」など大いに勉強になる。
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