これからの時代は、患者から選ばれる歯科医院であると同時に、就職希望者からも選ばれる歯科医院でなければ
継続的な発展は難しい。就職希望者から選ばれる雇用条件が、髪色や爪色の自由さというのでは余りにも情けない.
歯科医療従事者という職業に対する憧れと誇りが純であり、発揮しようとする能力と意欲が高く、組織が貫く
正統な規律に対する美意識に共感し、健全な労働環境と高い俸給に満足感を覚える。これらを提供してくれる
歯科医院を求める人材をこそ採用対象とするべきだ。そういう人こそが患者に幸福を提供すると共に自分自身と
医院全体にも幸福をもたらすことのできる真の人財へと育って行く。ところが多くの歯科医院のスタッフ募集案内を
見ても、勤務時間や休暇、福利厚生面での魅力やスタッフ間の仲の良さを訴えるものは多いが、仕事における能力の
発揮を期待する熱い表現はほとんど見かけない。ここに現れている院長のスタッフに対する期待感を変えなければ
ならない。その上で人間の集団である組織に不足しがちな「心理的安心感」の醸成の必要性を、一人の院長の挑戦を
事例に説いているところが268号の読みどころです。
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