歯科医療はすべての人の健康回復、健康維持発展の原点を担っている。建築工事で言えば、最も肝心な基礎工事に
該当すると同時に美しさを際立たせる仕上げ工事にも相当している。このような効用は人生を幸福領域に送り届ける
“馬車(coach)”の役割であるとも言える。即ち歯科医療従事者が持つ誇りとは、自己実現的価値を求める人たちの
“伴走者”であり“コーチ”である点だ。歯科医療という限定された領域の中では、治療の成果が長続きするように
予防を継続して行くといった考え方で、治療と予防が分かれて存在しているかのように見受けられるが、もっと視野を
広げれば、治療と予防を含めた歯科医療そのものが健康を守るための予防医療であり、更に高所から見降ろせば、
幸福へ向かう伴走者でありコーチであることがハッキリとしてくる。従って治療も予防も最善の方法を提示しそれを
提供することが求められる。歯科医療は不幸に陥らないための予防医療であるという使命を正しく認識し、その使命に
責任感と誇りを持つ歯科医療従事者の集団を目指してもらいたいというところが273号の読みどころです。
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