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第5回スタッフリーダー・ミーティングでは発表者のほぼ全員が現在の歯科界の
大きな問題として、保険制度の運用を上げた。国民皆保険制度下による医療判断の
弊害である。
相互扶助という保険の思想は素晴らしいものに違いはないが、
医療判断と健康保険適用の可否は別問題でなければならないという考え方だ。
今回の発表者の多くが、近未来における歯科医院の理想形を語る上で、
健康保険運用の問題は大きな... |
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国家経営と歯科医院経営は基本的なことは同じだと思っている。
つまり国家経営も医院経営も共通して大切なことは、「何を守り、何処へ向かうのか」
を明確にし、国民や従業員に分かりやすく明示し共に歩むという点にある。
国の場合には国民の意識や生活状況に格差があり過ぎるため共に歩むことには
少なからぬ困難が伴うが、医院の場合はほぼ同じレベルと見てよい。
国家経営が今行き詰っているように見える。... |
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30年ほど前、歯科医院の経営や開業に対する考え方は、
「限られたスペースの中でいかに多くのユニットを配置するか」だった。
そのためには「お金を生まない補助的なスペースは極力カットする」ことが正しい
考え方であるとされていた。
それは、土地を有効利用した賃貸マンション建設が華やかであった頃と同時代でも
あるのだが、限られたスペースの中でどのようにしてレンタブル比の高い設計を行うか、
即... |
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講演料なし、交通費もなし、その上一般受講者と同じ受講料まで払う。そんな講師による講演会など聞いたこともない。しかし、なんと12人が積極的に手を上げてくれた。それも名うての講師経験者ばかりである。
東日本大震災歯科仲間応援プロジェクトの一環として行われたフェニックス・セミナーは、そんな熱い心の歯科医療人たちの集いの場となった。講師の中には歯科医師会の講演などでは実績はあるものの当社のセミナ... |
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歯科医療が技術の世界であることは誰もが理解していることで、歯科医療技術の
高さが第一義的な問題であることは言を待たない。
しかし技量の優秀さを競う基準は必ずしも明確ではないし、また客観的でもなく、
優れて主観的なものだ。さらに主観的評価といっても、オリンピックでの体操競技や
フィギュアスケートのように、ある種の基準によって審判員が下す評価とも異なり、
サービスを受けた本人が下す主観的評... |
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歯科医院が、ただ歯科医院であればよかった時代は、デパートの最上階に大食堂があった頃をいうのかもしれない。デパートへ買い物に行くことは1年のうちでそう何度も無かった。“よそ行きの格好”をさせられて、親兄弟揃って大食堂で昼食をとった。大人は大抵親子丼かカレーライスかソバ。子供は恐らく全国一律で同じだったあのメニュー。オムライスの上に日の丸の旗が刺さった“お子様ランチ”かホットケーキ。そして必ずソフト... |
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住宅を購入しようとモデルハウスへやってくる顧客は、どのメーカーに
発注するかをその段階ではまだ決めていない状態であるのに対し、
歯科医院へやってくる患者は、その歯科医院での歯科医療サービスを
基本的には購入しようと、既に決めている。
それは、住宅を購入するという、当人にとっての一大事業に比べると、
歯科医療サービスの購入は、「あまり購入したくはないものの、
やむを得ぬ『修理サービス』... |
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あえて不況のせいとは言いたくない。志願して歯科医院に勤めようという女子大生が増えている。これまでどちらかと言えば芳しくない風評にさらされ続けてきた歯科医院にとっては、実に喜ばしい現象と言える。
しかしそう強気でばかり言えないのも事実だろう。昨今の就職難の現状を見れば、目指す企業には入れなかったために、やむを得ず腰掛的にどこかに就職しようという理由も少なくは無いはずだ。むしろそちらの方が多いのか... |
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2003年1月に第1号を発行してより8年3ヵ月、今回100号の発行を見ることができた。
ひとえに会員諸氏のご支援の賜とただただ感謝あるのみである。
毎回同じことばかり繰り返してきたような気がしているが、MCレポートの原点は、その第1号発行を遡ること3年、業界誌『アポロニア21』(日本歯科新聞社)への『歯科医院経営論』連載寄稿に求めることができる。
前職ジャパンデンタル時代に得た経験とノウ... |
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大災害に巻き込まれたり、交通機関が麻痺したりしたときに見せる日本人の行動はおそらく、
武士道に言う『礼』の本質がより鮮明に発揮されるからではないだろうか。
先を争うように人を押しのけたり、自分さえよければといった行動をとったりすることに自ずと
ブレーキがかかるのではないかと思う。
この『礼』の精神が今なお日本人の精神と行動の中に息づいていることが分かったとき、大災害といえども、今回の震災か... |
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戦後の復興から資本主義経済が本格的に発展して行く過程は、成長期と成熟期に分けることができる。成長期にできた最も効果的なシステムであった健康保険の国民皆保険システムは、その利点である『フリーアクセス』の素晴らしさが皮肉にも健康保険の制度を歪めるという裏腹の結果をもたらした。
健康保険の制度的ひずみは成熟期を象徴する事象でもあるが、それ故に盲目的に自費診療に走る傾向が今多くの深刻な問題を引き起こし... |
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かつて多くの日本人が持っていた『希望』が変質してしまったのがバブルが崩壊して
からだ。バブルの崩壊は、明治維新以来、敗戦によってすら日本国民の間に共通項と
して存在してきた『希望』すらをも崩壊させてしまう大事件だった。
紀元前と紀元後があるように、戦前戦後という区分があるように、希望喪失前と
希望喪失後とに分けられるのではないだろうか。そして今年は希望喪失後20年に当たる。
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