今月は上質化を目指した結果、医院価値が高まり医院収益を押し上げることに繋がっているでしょうかという問いかけです。おそらく収益は高まっていると思われますが、それは上質化の評判を聞きつけて受診者が増えたことによって起きている現象で、一人当たりの診療単価が高まったわけではありません。 なぜなら、独自に単価引き上げを行うことのできない公的医療保険主体の経営を行っている限りこれはやむを得ないことであるからです。
その結果多くのスタッフはいくらかの給与アップが実現することにはなりますが、一方では勤務時間の長期化や忙しさという現象に見舞われ、顧客にとっての付加価値はそのままスタッフにとっての付加価値としてストレートに反映されることはないのです。 今後労働需給が逼迫することが確実視されている中で、このような仕組みのままでは歯科医院経営は早晩行き詰まりを見せることになるでしょう。
今月の読みどころは、上質化対策は優良スタッフ確保対策でもあり、優良顧客創造育成対策でもあるという点で、増患対策から早く抜け出した歯科医院が勝ち残っていくことを説いています。
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