前号で取り上げた『上質化への8項目』の実践について第175号では解説しています。 そのためには歯科医院を健全な組織体に変えることの必要性を挙げています。健全な組織とは指示命令系統がしっかりと機能するための『縦の関係』が明確になっておりブレがないことと、その『縦の関係』を全員が前向きに受けとめ、円滑に機能させるために『横の関係』が構築されていることだと、第1章で述べています。

ところが、歯科医院の持つ『家業的体質』と歯科医師に対する一般教養教育の不足がこれを阻んでいることを第2章では小宮山彌太郎氏の著作を引用しながら取り上げ解説しています。

そして第3章においては『横の関係』を健全に強化するための具体的対応として、アドラー心理学を参考にした『勇気づけ』の仕方を解説しています。健全な組織としてのチームワークを、協調性と仲の良さに求めるのではなく目的を一にするチームメートとしての絆の有無に求め、チーム目的を達成するために互いの強みを生かし合う、時には強みを発揮しない仲間への叱責も含めた『上質な勇気づけ』を行うとしているところなどが今回の読みどころです。