歯科医院とそこに務める人間との出会いには運命的な一面もあるが、必然的な要因によって結ばれることを
よしとしたい。つまり「こういう人間に働いてほしい」と思う歯科医院側と「こういう歯科医院で働きたい」
と思う就職希望者側の希望や想いを一致させることだ。それは歯科医療という業務を通して、歯科医院全体の
仕事に対する考え方、目指す目標、行動規範といったものに、自分と同じ価値基準を感じることによって成立
する。逆にその一致を感じられない状況が積み重なると違和感が膨らんで行き、人の心は離れる。大事なことは
採用に当たって医院の基本となる価値観を明示し、院長が医院の本義を熱く語り、そこに共感できるかどうかを
問い、同じく熱い心を感じとることのできた人間を採用することが何よりも重要だ。医院側がそのようなアプ
ローチをすることなく、耳障りの良い勤務条件だけを提示した採用を行う限り、早期退職を促すような
転職サイトを肥やすだけとなるだろう。学校時代の部活動を例に出し、継続することの価値を説いているところが
269号の読みどころです。
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