医療技術、IT技術の発達により合理的価値に差異が生じない標準化現象が起きている中で「この歯科医院となら自分の健康幸福ライフの頂点を目指せる」との信頼を寄せる受診者が誕生する背景は、「この歯科医院でなら自分のやりがいを満足させられ、幸福を獲得できる」と思う新人が生まれる背景と同根であろう。そこには他の医院とは異なる特別に存在する魅力を感じるからだ。歯科医院経営にとって大切なことは、何人の来院者を集めるかではなく、このような自己実現的価値を満たすことに大きな期待と信頼を寄せる受診者を生み出すことであり、そういう受診者と価値観を共有する歯科医療従事者を育成することである。そして新人の育成とはその価値観に共感し、価値観を共有する人財に育て上げることに他ならない。スタッフの意識レベルの高い2軒の歯科医院でのセミナー後に寄せられた報告書を紐解きながらそのことを分析しているところが257号の読みどころです。
|