真のおもてなしは、期待に応えることではなく顧客がまだ気づいていない価値に気付いてもらうように対応すること」という正に真理を伝えてくれている星野佳路氏の言葉にはアートの匂いをふんだんに感じさせてくれている。理屈で考えれば、期待感を抱いてやってくる宿泊客の、その期待感に応えることは重要なことで、今、多くの宿泊客が期待していることは何かをアンケート調査等を通じて調査し、その備えを完璧に整えることが『おもてなし』であると考えることが正解と思われる。しかしそれはきっと外部の価値観や美意識に合わせているに過ぎないということなのだろう。自分たちが「この価値に気付いてほしい」と強く思い、それを伝えなければ、サイエンス的正解から抜け出すことはできない。歯科医療は来院者の希望や幸福を創造するというアートの要素に溢れている。ならばアートとしての魅力的な価値を伝え、それを実現していく有能なコーチであるべきだと確信する。その他『評価の関所』『和地孝氏の名言』『エディー・ジョーンズの言葉』など過去の資料を活用しながら新しい美意識を論じているところが256号の読みどころです。
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