歯科医療サービスは「悪い歯を治して健康で美しい歯を取り戻す」「美しい歯並びにする」といったことを目指すビジネスであり、そもそも提供者側に美意識がなければ成立しない。しかし『歯科医院経営における美意識』という観点で捉えた場合、経営者としての美意識が存在しているのかどうかは疑わしい。従業員や取引会社の心を掴みワクワク感を与えているだろうか?賃金をできるだけ抑え、発注額を値切ることにだけ熱心になってはいないだろうか?従業員には行動を律するように求めながら、院長自身は別枠で行動しているといことはないだろうか?それらが見えた時、美しさは一瞬にしてなくなる。誇りも育つことはない。スタッフ問題に悩む院長は多く存在する。院長の抱える問題で最も多いのがスタッフ問題かもしれない。しかしその本質は院長自身の美意識に問題点が潜んでいるように思える。集患や増患を狙った向こう受けの良い社是など要らない。カッコ悪くても良い。強さと美しさを含んだ単純明快なビジョンを作り、スタッフと共に全員が幸福を目指すことの意義を具体例を挙げて伝えているところが254号の読みどころです。 |