現代社会においては「愛国心」はタブーであったり、「愛社精神」も会社の言いなりになる仕事人間が思い浮かぶなど組織に対する愛情はほとんど軽視される存在であるように思えます。特に零細企業である個人歯科医院においてはなおさら縁遠い言葉となっており、院長の「家業」から脱しきれない歯科医院では愛社精神イコール「愛院長精神」ともなりがちなため、歯科医院関係者の中では愛社精神について考えることすらありませんでした。
しかし、スタッフが定着し活性化している実際の歯科医院をよく見ると、そこに共通するものが愛社精神であることが分かります。前月から問題視してきた、入社したばかりの新人が直ぐに辞めてしまう現実を振り返りますと、愛社精神について問うことがなかったり、それを育むための教育や指導方針が徹底されていなかったりすることが浮かび上がってきました。
今月は、小規模ながら家業を脱し事業としての歯科医院を確立しているある歯科医院を事例として取り上げ、院長の採用と教育に関する基本方針の狙い目の鋭さと素晴らしさが、図らずも愛社精神を育んでいることを紹介していますが、その取り組み内容こそ読みどころと言えるでしょう。 |