歯科医院に限らず人間の集団である組織には、独自の価値観に基づいた『組織文化』があり、その組織の活動に色濃く影響を与える。現代の歯科医院における医療活動の実態を見ていると、個々の医院ごとにそれぞれ独自の組織文化に基づいた動きの特色がある。 ただ、歯科医院という同一業種であり、医療行政の縛りを受けるという共通の土壌にあるため、多くの面で似通った発想や行動やシステムが存在していることも事実だ。 歯科医院個々の組織文化を明らかにし、強みを伸ばし、弱みを改善して行こうとするならば、共通の業界文化とでも言うべき、日本の歯科医療文化を明らかにし、その問題点と克服法について考えることが求められる。
本221号に於いてはそのあるべき姿、現代日本の歯科医療界の組織文化に、渋沢栄一の『論語と算盤』に流れる道徳と経済の合一精神を適用させているところが読みどころとなっている。
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