歯科医療界に存在する一種の組織文化のマイナス面を振り払うことの重要性を論じた221号を受けて今号は個別歯科医院の組織文化に見られるマイナス面を払拭することの必要性を論じている。組織文化とは客観的な評価によって出来上がっていくものではなく、経営トップである院長の考え方やビジョンをベースに、そこに集う歯科医療従事者たちの主観的な価値観が重なる中で醸成されていく。それは日頃の業務を通して体験する中で思うことや感じることであるため、歯科医院の物理的環境やシステム、業務命令や期待されている内容などによって構築されていく。一人でも多くの患者を診ることが経営の躍進に繋がるという業界の風土の中で歯科医院は恰も工業製品の製造工場のようであったが、競走が激化する中で患者の感情面に訴えるエモーショナルワークが導入されるという歴史を辿るが、未だナレッジワークが未熟であるという組織文化が調査結果から浮かび上がる。その改善に向けての提言が今回の読みどころとなっている。 |