『感情労働』という言葉に始めて出合ったのは『「おもてなし」という残酷社会』(榎本博明著・平凡社新書2017年)を読んだときでした。8月21日付日本歯科新聞の読者投稿欄に載った国松仁志先生の同書への書評に興味を惹かれたのがきっかけでした。
「お客様は神様です」に代表されるサ-ビスビジネスのやや行き過ぎたおもてなし行動が、非常識な顧客を増大させ、そのような顧客との対応に精神を疲弊させるサービス提供者が増えている現象を『感情労働』の負の側面として問題視している内容でした。
創業以来「感情労働の実践」を歯科医院に伝えてきた当社としましてはその考え方や伝え方に『感情労働』の負の側面がなかったのかを検証しなくてはならないとの思いから、今回のテーマを『感情労働研究』としたのです。参考書籍を更に1冊増やし歯科医療現場に適用させるかたちで研究を進めました。
その結果、感情労働がもたらすマイナス部分への対応を歯科医院がしっかり行い、自信をもって質の良い感情労働を実施していくことで今多くの歯科医院が抱えている採用と人事の問題を解決する糸口になるとの確信を得ました。感情労働の本質を歯科医院に適用させ、どのように活用していくかがこの190号の読みどころです。 |