これまでにも何度か提言してきた「家業」から「事業」への脱皮について、更に一歩踏み込み具体的な考え方と行動の仕方を論じています。また様々な経営書に必ず書かれ、成功した企業人が口を揃えて唱える「ビジョンの重要性」についても一歩踏み込んでその理由にまで迫っています。
2016年に刊行され世界的ベストセラーとなった『サピエンス全史／文明の構造と人類の幸福』（ユヴァル・ノア・ハラリ著、柴田裕之訳）に書かれてある学説を「組織強化」へ向かう歯科医院経営者を勇気付けるものとして引用し、 「強い組織の歯科医院をつくる」ために

（1）魅力的で明快なオリジナルビジョンを策定すること。
（2）スタッフの採用はビジョンへの共感共鳴を第一義的に重視し、単なる有資格者や経験者を単純に優先採用しないこと。
（3）ビジョンの実現に向けての自由闊達な意見交換を行い、当初ビジョンが形を変えてより魅力を増すことに対しては積極的に受けいれ、全員の結束と協力を一層高めるようにもって行くこと。

と三要件を具体的に提示しているところなどが読みどころです。