歯科医院経営の在り方が真剣に考えられるようになったのは1980年から1990年に至る開業ラッシュにより競合が激しくなりはじめ、いわゆる『適正配置』なるものがもろくも崩れ去ったときからだ。
社会情勢は高度経済成長が頂点に達し、バブル景気となって崩壊寸前に至る直前の時代と重なる。歯科医院をサービス業として如何に活性化させるかとの観点を歯科医院経営者が抱くようになった。一般社会が製造業中心の社会からサービス業中心の社会へと移行する時期でもある。
ただこの時に歯科界は『サービス』の認識を正しく捉えられず、余興や優しさの演出によって患者を集めようとまるで脇道にそれたかのような軽い歯科医院が増大した。しかし2020年あたりから本道に戻ろうとする動きが出てくる。真の一流歯科医院を目指そうとする動きである。それは技術に溺れず、患者に媚びず、歯科医療の真価を正当に伝えることで差異化を図ろうとする動きであり、歯科医療従事者のレベルを一流にしようとする動きだ。スタッフの一流レベルとはどういうレベルなのか? そのことをきちんと伝えようとしているところが225号の読みどころです。
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